筆者は不動産業界30年のキャリアがあります。
過去には、マンションを高く売却するにはコツがあると考えていたことがあります。
また、会社によって販売力がちがうと考えていたこともあります。
しかし、これは皆、錯覚であり幻想でした。
高く売れるのは、高くても売れるという条件が揃うという理由があるのです。
では、筆者の経験からマンション 売却について解説させていただきます。
高く売れるのはコツではなく理由です。
マンション 売却|高く売れるにはコツではなく理由がある

一つ考えてみましょう。売主さんのマンション売却が、例えば相場よりも高く売れたとすれば、それは反対に買主は割高なのにそのマンションを買ったことになります。
それってちょっと変ですよね。
そのままの言葉の理解だと、売主さんは得をして、買主さんは損をしたことになります。
しかし実際には、売主さんはマンション売却が高く売れてよかったですね。
買主さんは、少し高いかもしれないが、でも買うことができてよかったですよね、となるのです。
なぜこの状態がクレームにもならずに成立するのかが、分かれば売主さんが希望する「高く売れるコツ」が見つかるのです。
買主さんから見て、そのマンションが高くても欲しいと感じるポイントには何があるのか。
他に比較となるマンションがないことです。マンション購入をする場合、どういう場所でも言い訳ではありません。
買主がマンション購入を考える希望のエリアに、他にマンションがないという状況にあることです。
そしてこの先いつ買主さんの希望条件に合うマンションが出てくるのかがわからない、という状況が明確であれば、買主は少し高いかも知れないが、このマンションを買おうという気持ちになります。
築年数の割には、マンションの痛み具合が少ないことです。
設備の状態や内装のクロスや床の状態のことですね。
経年並みでなく、明らかにキレイであることです。
生活の基本要素である、マンション周辺の交通・買い物・教育の要素が揃っていることです。
以上3つのポイントが揃えば、買主さんは、そのマンションの価格が少し高いと思いつつも喜んで買ってくれます。
ただ、注意していただくと分かりますが、売主さんができるマンション売却のコツは、工夫か努力で可能と思われるのは、2つ目のポイントだけです。
上記3つのポイントの根拠を解説

上記の3つのポイントが揃えば、買主さんはマンションの価格が多少高い価格であっても、買ってくれます。
反対にどれかが欠けていれば、売主さんはマンションを高く売るという希望は捨てて、例年並みの価格で売れるよう願うということになります。
解説します。
他に物件が無いこと
買主さんは、マンションのある場所(エリア)と予算の希望基準を持っていますが、一般的に一番重視するのが、場所です。
場所を選ぶ理由は様々です。教育であったり、勤務先との関係、親元との関係、趣味や文化という方もいます。
一般的には、希望するエリアが先ずあります。
そしてそのエリアの中で、マンション情報を調べて、予算と間取り・面積・築年数という条件を比べるのです。
希望するエリアに物件はたくさんあるが、よーく調べてみると、自分が希望する条件に合うマンションが1件しかないということがあります。
この場合、多少価格が高くともマンション購入の検討は進みます。
また急いでいないなどと慎重に構える買主さんもいますが、不動産会社は、このエリアの中で年間に何戸のマンションが売却されるかを調べることが出来ます。
データを調べて、買主の求めるエリア内で、間取り・面積・築年数の物件が年間に何戸売り出されるのかが分かるのです。
もしその調査の結果、そのエリアは条件に合う物件は既に例年並みに売り出されていることが判れば、今年これからはもう売りマンションの情報が出てこない可能性があると言い切る事が出来ます。
買主さんに決断することをを勧めることが出来ます。
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物件の傷みが少ない
これは分かり易いですね。
不動産会社が買い取った物件にリフォームをかけて相場よりもかなり高めの価格でも成約しているのが何よりの証拠です。
それは内装や設備の状態が良ければ、高く売れるという事の証明でもあります。
タバコを吸わない、小さい子どもがいない、ペットを飼っていないと、内装の傷みは一般的には少ないです。
そういうマンションは築年数よりも、キレイに見えることが多いです。
ただ古くなってしまったマンションの場合、おすすめするのは、一番安いクロスでも良いので張替をすることです。
クロスクリーニングをされるお客様もいます。
しかし、クロスクリーニングの場合だと、張替よりも確かに少し安く仕上がりますが、やはりクリーニングのムラが出やすいですので、見た目はかなり違って見えます。
やはり貼り替えた状態とは、明らかに違います。
正直なところ、クリーニングの方は、おすすめはしません。
利便性が揃っていること
これは、マンションの基本要素部分ですので、いうまでもないことですが、今回の場合のように、相場より高く売れることを考えれば、このポイントが不足していれば、相場より高く売ることは相当にハードルの高い事であるとなります。
以上が、買主さんからの視点で考えた高く売れる為の理由です。
合わせて、不動産仲介会社からマンションを見たときに、高く売れる可能性有りと判断するときの条件を紹介します。次の4つです。
- 築年数が新しいこと
- キレイであること
- 駅に近いこと
- 他に競合する販売中物件がない事
買主さんから見たポイントとよく似ていますね。
会社選びによって高く売れることはあるのか

高く売れることを願うときに、何かコツは無いかなと考えるのに合わせて、こんなことも考えていないでしょうか。
どの不動産会社に頼んだら高く売ってくれるだろう・・・。
残念ながら、それは錯覚です。幻想かもしれません。
買う側の立場を想像してみて下さい。
マンションを買う人は、その会社が扱っている物件だから購入するわけではありません。
そうでは無く、自分の希望するエリアにあるマンションであり、間取りや面積、そして周辺の利便環境などが条件に合うから買うのです。
そもそも〇〇不動産が扱っているマンションを探そうという人が多いのであれば、SUUMO・アットホーム・HOME’S等には、マンション情報は広告されることはありません。
ココが売主さんが大きな勘違いをしている部分です。
買主にとっては、大手不動産会社が扱っている中古マンションでも、中小の会社の扱いのものであっても、自分の希望条件に合う方のマンションを購入します。
ですから、大手の方が売却が上手くいく可能性が高いのでは無いかと考えるのは、単なる売主さんの誤解です。
買主さんは、扱っている不動産会社ででマンション探しをしていません。
まとめ
マンションを高く売却するためには、コツというよりも、高く売れるための条件=理由が整うかによります。
ですので、マーケットデータなどをキチンと調べて、理解出来るまで丁寧に教えてくれる担当者で選ぶべきです。こちらの記事も参考にして下さい。「不動産査定、どんなサイト・会社を選びますか?」
会社で選ぶと失敗します。
知名度の低い会社であっても、来てくれた担当者が丁寧で親切に配慮を持って対応してくれる人であるなら、その人を選ぶべきです。
ここまで読んで下さいましてありがとうございます。
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